ホーム > インプラントについて > 骨移植の必要性と安全性

骨移植の必要性と安全性

骨移植の必要性と安全性

自家骨についての説明の前に、骨伝導能(Osteoconduction)と骨誘導能(osteoinduction)について説明します。
骨伝導能とは、“骨組織の部位に沿って骨組織を増加させる能力”で、骨を失った部位の母床骨の中に存在する骨を創る細胞(骨芽細胞)を活性化して、骨形成を促す能力を示します。
また骨誘導能とは、“骨組織の部位以外に骨を形成することができる能力”で、骨を失った部位の周囲から骨芽細胞を誘導して骨形成を促す能力を示します。

自家骨(Autogenous graft)

患者様本人の骨を意味します。骨の構造上の違いにより、皮質骨と海綿骨に分類されます。また、自家骨移植には、採取した骨の形態から、ブロック骨(Block bone)と粉砕骨(Particulate bone)に分類されます。そして、ブロック骨には、Vascularized bone(血管柄付骨移植) と Non-vascularized bone(遊離骨移植)に分類されます。
自家骨の採取部位は、腸骨・脛骨・上顎骨・下顎骨などが一般的です。腸骨を採取するためには入院して全身麻酔下で行う必要があり、通常開業医では、口腔内からしか採取できません。上顎は、上顎結節から採取しますが、そのほとんどが海綿骨です。下顎は、下顎枝(Ramus)・オトガイ(Chin)から採取します。また、上下顎骨隆起部やインプラント形成窩からも皮質骨や海綿骨が採取できます。

Block bone

Vascularized boneは、顎骨再建などに用いられます。栄養血管の吻合を行い、生きた骨の移植となるので、移植骨の吸収がなく、感染に抵抗性で移植床の条件にほとんど左右されません。 
Non-vascularized boneは、骨造成の予知性はありますが、Vascularized boneと比較すると骨の吸収は起こり、感染に弱く、その予後は移植床に左右されます。

Particulate bone

採取した骨をボーンクラッシャーやボーンミルを用いて粉砕骨にしたものを意味します。主に、GBRに用いられます。Block boneと比較して、移植後の吸収量は大きいです。Particulate boneも遊離骨なので、Non-vascularized boneと同様に感染に弱く、その予後は移植床に左右されます。
また、上下顎骨隆起部や下顎の皮質骨表面からボーンスクレイパーなどの器具を用いて採取した骨や、インプラント窩を形成する時に採取した海綿骨も、広義ではPaticulate boneです。

自家骨(Non-vascularized bone・Paticulate bone)の利点・欠点

利点

  • 骨誘導能が高い。
  • 口腔内から比較的容易に採取できる。
  • 安全性が高い(未知の疾病の感染がない)。

欠点

  • 外科的侵襲が高い(場合によっては、口腔内に手術部位が2ヶ所必要)。
  • Paticulate boneは、吸収が速い(必要な骨のボリュウムを維持できない可能性が高い)。
  • 口腔内から採取する量に限りがある(骨造成に必要な量を採取出来ないことがある)。

骨補填材について

骨補填材についての説明の前に、骨伝導能(Osteoconduction)と骨誘導能(osteoinduction)について説明します。
骨伝導能とは、“骨組織の部位に沿って骨組織を増加させる能力”で、骨を失った部位の母床骨の中に存在する骨を創る細胞(骨芽細胞)を活性化して、骨形成を促す能力を示します。
また骨誘導能とは、“骨組織の部位以外に骨を形成することができる能力”で、骨を失った部位の周囲から骨芽細胞を誘導して骨形成を促す能力を示します。

続いて、骨移植材の種類を説明します。

1.自家骨(Autogenous graft) 
2.他家骨(Allogeneic graft)脱灰凍結乾燥骨(DFDBA)
非脱灰凍結乾燥骨(DFDBA)
3.異種他家骨(Xenograft)牛骨由来移植材(Bio-oss(R))
4.人工材料(Alloplast)三燐酸カルシウム
ハイドロキシアパタイト
硫酸カルシウム
1.自家骨(Autogenous graft)

患者様本人の骨を意味します。通常は口腔内のオトガイ部や下顎臼歯部後方、そして骨隆起部から採取しますが、足などから採取する場合もあります。

利点

  • 骨誘導能が高い。
  • 口腔内から比較的容易に採取できる。
  • 安全性が高い(未知の疾病の感染がない)。

欠点

  • 外科的侵襲が高い(場合によっては、口腔内に手術部位が2ヶ所必要)。
  • 吸収が速い(必要な骨のボリュウムを維持できない可能性が高い)。
  • 採取する量に限りがある(骨造成に必要な量を採取出来ないことがある)。
2.他家骨(Allogeneic graft)

自家骨以外で骨誘導能があるとされているのは、脱灰凍結乾燥骨(DFDBA)と非脱灰凍結乾燥骨(FDBA)である。このDFDBAとFDBAは、ヒト由来の生体材料です。安全性については、スクリーニングによる安全なドナーの確保、放射線処理による抗原性の除去などの処理により、ほぼ安全とされています。この製品は、米国医療用具・医療機器に対する安全要求事項を満たしており、FDA承認を取得していますが、厚生労働省の承認は得られていません。未知の病原微生物による感染の危険性は、統計学上1/1,600,000,000や1/2,800,000,000という文献が報告されています。

利点

  • 骨誘導能がある。
  • 自家骨の不足を補えるため、不要な外科的侵襲を避けられる。

欠点

  • 未知の病原性微生物の存在は、完全に否定できない。
3.異種他家骨(Xenograft)   牛骨由来移植材(Bio-oss(R))

牛骨を高熱(約300℃)で焼却処理し、タンパク質やその他の有機質成分が存在しない状態にした製品です。異常プリオン由来の疾病の感染の危険性については、安全性に問題がないとされています。
製造過程で、プロテインの除去がされており、米国・欧州の医療用具・医療機器に対する安全要求事項を満たしていて、FDA承認と欧州通知機関よりCEマークの取得をしています。

利点

  • 骨伝導能がある。
  • 置換性吸収が遅いため、外側性の骨造成や容積の大きな骨造成(Sinus Lift)などに有効である。

欠点

  • 狂牛病やヤコブ病に対する問題から、心情的に使用しにくい。
4.人工材料(Alloplast)

三燐酸カルシウム/ハイドロキシアパタイト/硫酸カルシウム

人工的に合成された代用骨です。骨伝導能は認められているが、骨誘導能は期待できません。安全性については問題ありませんが、実際の臨床成績に関しては、他の代替骨と比較して有効とされていません。

利点

  • 骨伝導能があるものもある。
  • 病原微生物による感染の危険性は全くない。
  • 厚生労働省の承認が得られているため入手し易い。

欠点

  • 臨床成績が他と比較して有効でない。

当医院で使用している骨移植材

歯周再生療法やGBR、上顎洞挙上術などの骨造成の際、自家骨(患者様自身の骨)と併用して使用します。手術の用途により使い分けます。

Bio-Oss
Bio-Oss

これは異種骨の1つで、牛の焼成骨で結晶化したサンゴのようなものです。高温で焼成することにより、すべての生物は死滅しており、感染のリスクはありません。30年以上世界中で使用されており、2012年より厚労省も国内での販売を認可しました。
置換性吸収が遅く、インプラントの治療に使用します。スイス製です。

FDBA
FDBA

これは、凍結乾燥骨といい、生前に骨バンクに登録した人が亡くなった際、感染症の者は除外して製品化されたものです。凍結処理しているので、すべてのウイルスは不活性化しています。しかし、未知のウイルスの存在は、否定できません。統計学上、感染の確率は、1/3,200,000,000です。しかし、30年以上世界中で使用されておりますが、現在まで感染の報告はありません。
アメリカ製で、FDA(アメリカの厚生省)は認可しておりますが、日本の厚労省は国内での販売を認めておりません。
歯周再生療法や、インプラントの治療に使用します。

DFDBA
DFDBA

これは、脱灰凍結乾燥骨といい、生前に骨バンクに登録した人が亡くなった際、感染症の者は除外して製品化されたものです。脱灰凍結処理しているので、すべてのウイルスは不活性化しています。しかし、未知のウイルスの存在は、否定できません。統計学上、感染の確率は、1/3,200,000,000です。しかし、30年以上世界中で使用されておりますが、現在まで感染の報告はありません。
アメリカ製で、FDA(アメリカの厚生省)は認可しておりますが、日本の厚労省は国内での販売を認めておりません。
歯周再生療法や、インプラントの治療に使用します。

厚労省が認可していない材料ではありますが、決して危険なものではありません。過去30年以上にわたり、世界中で使用されている信頼性の高い材料です。当医院では、毎年海外の学会に参加した際、学会会場にて正規に購入した材料のみを使用しております。日本の歯科医療は、ヨーロッパやアメリカなどの医療先進国と比較して、かなりの遅れをとってきました。それは近年、厚労省が海外の新しい医療材料や医療機器の国内での認可を全く行わないからです。しかしそれらは、医療先進国では当たり前に使われているものなのです。私たちは、ワールドスタンダードな材料や医療技術をもとに、最先端の歯科医療を患者様に提供しております。