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自家歯牙移植

歯を失った時、お口の中に不必要な歯が存在する場合(例えば親知らずや歯列から完全に逸脱した転位歯など)、その歯を抜いて失った歯の部位に移植を行う治療法を自家歯牙移植といいます。この治療法の利点は、他人の臓器移植のような拒絶反応が起こらないことです。自分の体の一部である歯を利用するため、拒絶反応や感染といった問題はありません。そして高い成功率を誇ります。しかし、移植する予定の歯を抜歯してみないと、移植歯に相応しい歯か否かを最終的に判断することができません。そして、移植された歯の寿命は10年と言われています。逆に言うと、10年維持できたら自家歯牙移植は成功といえます。

Case1

50代女性
50代女性

50代女性です。左上6番は歯根破折を起こし抜歯しました。幸いにも健全な親知らずが存在しており、8を抜歯して6番部位に移植を行いました。右の写真は移植後4年の状態です。健全な歯と同様に噛む感覚もあり、快適に食事が出来ております。

Case2

20代女性
20代女性

左は20代女性の初診時のX-ray写真です。左下7は歯周病が進行し、根尖に到達する深い歯周ポケットが存在し、X-ray写真でも7周囲にX-ray透過像が認められます。保存不可能のため抜歯し、左上の親知らずを左下7部に移植する計画を立案しました。右の写真は、7抜歯後2ヶ月の移植前の左下の状態です。顎堤は大きく高さを失っております。

移植後のX-ray写真
2ヶ月後の根管治療後のX-ray写真

骨移植と同時に自家歯牙移植を行いました。左は移植後のX-ray写真で、右は2ヶ月後の根管治療後のX-ray写真です。まだ移植歯の周囲には骨は再生されておりません。

術後半年の口腔内
術後半年のX-ray写真

術後半年の口腔内とX-ray写真です。術後の経過は良好で、X-ray写真では移植歯の周囲に骨の再生が認められます。

Case3

50代の男性初診時の左下X-ray写真

50代の男性初診時の左下X-ray写真です。左下7は根分岐部の歯周ポケットが深く保存不可。上顎両側に親知らずが2本存在。左下7を抜歯して、上顎の親知らずを2本左下67部に移植する計画を立案しました。

移植前の左下の状態
移植前の左下の状態

移植前の左下の状態です。少し顎堤の幅が吸収しています。

移植後7ヶ月の口腔内の状態
移植後7ヶ月のX-ray写真

移植後7ヶ月の口腔内の状態とX-ray写真です。安定して噛めるようになり、患者様は満足しております。全く噛んだ感覚は歯と変わりありません。X-ray写真でも、根の吸収は認められません。

Case4

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40代女性です。左上6を失っております(左の写真)。左上の親知らずを抜歯して左上6部に移植しました。術後6年のX-ray写真です。一部外部吸収が起こりましたが、一過性で安定しております。

自家歯牙移植は、上手く行けばもともと存在した歯と変わりなく噛めるようになります。しかし、インプラントより移植歯のサイズが大きいため、場合によっては顎堤のサイズとの不一致からできないこともあります。また、移植後に移植した歯根の表面が吸収される外部吸収という現象が起こります。X-ray写真を撮影して定期的に経過を観察する必要があります。
インプラント治療と比較すると、適応症には限りがあり、また予知性も低い治療法ですが、治療費が安価で、もし外部吸収が起こり移植歯が脱落したとしても、置換性吸収により歯根の吸収と同時に骨の添加が起こって、後には十分な骨幅の顎堤が残るため、インプラント治療に移行しやすく、私たちは自家歯牙移植術をBefore Implant Selection(将来インプラント治療へ移行する前の治療選択)と位置づけております。

当医院では、移植できる歯が存在する場合、欠損修復治療の第一選択は、インプラントでなく自家歯牙移植と考えております。